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家庭学習・幼児教室

幼児の家庭学習は何から?3~5歳の始め方と続け方

3~5歳の家庭学習を何から始めるか、絵本・文字・数・手を使う活動の例で解説。年齢ごとの疑問、時間と続け方、嫌がるときの見直し、教材や教室の選び方を整理します。

家庭学習の最初の一歩

3~5歳の家庭学習は、子どもが今おもしろがっていることから、一つだけ一緒に試してみましょう。好きな絵本を開く、食卓に人数分のスプーンを置く、紙に道を描く。家にあるものでも始められます。教材を選ぶのは、子どもが取り組みやすいことと、親が手伝える範囲が少し見えてからでも遅くありません。

「そろそろ何か始めたいけれど、ひらがなと数のどちらが先?」「4歳ならどこまでできるもの?」「買ったドリルを嫌がったらどうしよう」。家庭学習を考えると、教材選びの前にも迷うことがあります。

この記事では、初めて家庭学習を取り入れる3~5歳の家庭に向けて、今日試せる活動、年齢に応じた取り入れ方、時間の決め方、続かないときの見直し方を説明します。すでに文字や数に興味がある子も、まだ机での活動に関心が薄い子も、今の様子に合う入口を選んでください。

公的資料に示された幼児教育の考え方を参考に、家庭での活動や声かけの例を編集部が提案しています。年齢別の例や時間は、発達の判定基準や必須の学習量ではありません。

家庭学習は何から?まず「興味・一緒に試す・振り返る」の3つから

初日に決めたいのは、1年分の教材や毎日の時間割よりも、「今日は何を一緒に試してみるか」です。次の順番で考えると、選ぶものを絞れます。

  1. 最近、子どもがよく見たり触ったりしているものを思い出す。乗り物、動物、料理、積み木など、勉強らしく見えるものでなくても構いません。
  2. その興味につながる活動を一つだけ誘ってみる。乗り物が好きなら絵本を一緒に見る、料理に関心があれば食卓の準備を手伝ってもらう、といった始め方です。
  3. 終わったら、どこを楽しみ、どこで手が止まったかを見る。「もう一度やりたい」「見るのは好きだけれど書くのは嫌」といった反応を、次の選び方に使います。

例えば車が好きな子には、紙に道路を描いてみせ、「こっちにも道を作る?」と誘えます。描くことに乗り気でなければ、親が描いた道に車を走らせるだけでもよいでしょう。最初から線を上手になぞる課題へ進めなくても、何に興味があるかを知る機会になります。

机に座っていない時間にも、学びはある

厚生労働省の保護者向け資料では、子どもが人や物、自然と関わり、生活や遊びを通して学ぶことを大切にしています。家庭でも、絵本を楽しむ、物を分ける、作り方を考えるといった経験を、学びの一部として捉えられます。

参考:厚生労働省「保育所123:豊かな体験を通して大きく育つ」。園の保育についての説明であり、家庭に特定の教材や時間割を求める資料ではありません。

ドリルが好きなら取り入れて構いません。ただ、取り組んだページ数だけで、その日の学びを数えなくてもよいのです。散歩中に気になったものを話した日や、おもちゃの並べ方を工夫した日にも、子どもが考えたことはあります。

家庭で教材学習の時間を設けず、園での経験や日常の遊びを大切にする選択もあります。この記事で参照した公的資料から、就学前に全家庭が必ず終えるべきドリルの範囲を定めることはできません。「何も買っていないから遅れている」と考えなくて大丈夫です。

文字・数・手を使う活動は、どう始めればよい?

ひらがな、数、運筆をすべて同時に始める必要はありません。下の例から、今の子どもが楽しめそうなものを一つ選びます。「全部できたか」を確認するための一覧ではありません。

家にあるものから試す、3つの入口
入口試すこと親の関わり方難しかったとき
言葉・文字好きな絵本を開く。名前や好きな物の文字を一緒に見る子どもが見ている絵に言葉を添える。聞かれた文字を読む文字当てをやめ、絵を見たり話を聞いたりする時間に戻す
数・比べること家族の席にスプーンを1本ずつ置く。積み木を色や形で分ける実物を一緒に動かし、「ここにも置こうか」と確かめる物を少なくする。数字を書く課題にせず、一緒に配る
手・形を使うこと紙に線や丸を描く。大きな積み木で形を作る。紙を折る作りたいものを聞き、難しい部分だけ手伝う細い枠や手順を減らす。自由に描く、積む活動に戻す

道具は子どもが扱えるものを選び、商品の対象年齢や注意表示に従ってください。特に小さな部品やはさみを使う活動は、大人がそばで見守れるときに行います。

ひらがなは、読むことと書くことを分けて考える

文字に興味があるなら、名前、絵本の題名、お店の看板など、子どもが気にした言葉から触れてみましょう。「これは何?」と聞かれたら読み、一緒に同じ文字を探す、といった方法があります。

読める文字があっても、すぐ同じ文字を書く練習へ進める必要はありません。字を書くのを嫌がるときは、文字を見ることも嫌なのか、鉛筆で形を写す作業が難しいのかを分けて見ます。絵や線を描くのは好きなら、そちらを楽しむ選択もできます。

読み聞かせの後に、毎回内容を質問して正解を求める必要もありません。子どもが気に入った場面を指したら、「ここが好きなんだね」と一緒に見る。自分から話したいことが出てきたら聞く。そのくらいの関わりから試せます。

東京都教育委員会の読み聞かせの案内も、読み方の巧みさより親子で楽しむことを重視し、最初から最後まで読み切ることにこだわらず子どもの様子に合わせるよう勧めています。

参考:東京都教育委員会「読み方が下手でも大丈夫ですか?」。

数は、口で数えることと、物の個数を確かめることを分ける

「1、2、3」と言えるかだけでなく、目の前の物を一つずつ扱う場面も作ってみます。例えば、ぬいぐるみの前にお皿を一つずつ置く、おもちゃを二つの箱に分ける、といった遊びです。

途中で数が合わなくなったら、「違うよ」と言葉だけで訂正するより、一緒に物を動かして確かめる方法を試せます。数字を書くことや計算式を覚えることまで、一度に課題にしなくて構いません。

もっとやりたがったら、量以外の広げ方もある

積み木を並べるのが楽しいなら、別の形を作る、違う並べ方を考える、家族に作り方を見せるなど、同じ題材でも広げられます。子どもが望むなら少し難しい課題を試してもよいですが、楽しんでいる遊びを必ず「次の学年」へ進める必要はありません。

3歳・4歳・5歳では、何をどこまで取り入れる?

年齢は活動を探す手掛かりになりますが、家庭学習の合否を決める線にはしません。同じ年齢でも、関心があるものや経験してきたことは異なります。年齢別教材の表示も、まず中身を見て、今の子どもが試せそうかを確認するために使いましょう。

文部科学省は、幼児期の終わりに育ってほしい姿について、一人ひとりが一律に到達する目標ではなく、すべての幼児に同じように現れるものでもないと説明しています。この考え方からも、「4歳なら文字を何個」「5歳なら計算をどこまで」と家庭の達成ノルマに置き換えるのは避けたいところです。

参考:文部科学省「3要領・指針に基づく教育活動について」5ページ(PDF)。園の指導に関する説明で、年齢別の家庭学習基準ではありません。

3歳:文字の練習から始めた方がよい?

最初の活動を文字に決める必要はありません。絵本で好きな物を見つける、紙に自由に描く、おもちゃを一緒に並べるなど、本人が参加したいことから選びます。文字を聞いてくるなら一緒に読む、と反応に合わせて広げてください。

4歳:ひらがなや数字は、どこまで進める?

「何文字、いくつまで」と一律に決めるより、今使っている教材のどの作業なら取り組めるかを見ます。例えば、迷路を指でたどれるけれど線を引くと嫌がるなら、書く量を減らす。物を分けるのは楽しむけれど数字の問題では止まるなら、実物を使う活動に戻す、といった調整です。

進み具合を見たいときは、以前より興味を持つものが増えた、自分から本を選んだ、遊びの中で数を使ったなど、普段の変化も手掛かりにします。これらをすべて満たす必要はなく、家庭で見えにくければ園の先生に最近の様子を聞いてみましょう。

5歳:入学前に、ひらがなを全部書けるようにしておく?

平仮名・片仮名の読み書きは、小学校の国語の第1・2学年の指導内容に含まれています。学習指導要領にある内容を、入学前にすべて終えるべき課題と考える必要はありません。

出典:文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 国語編」第3章・第1節(PDF)。

ただし、入学準備として案内されることは学校ごとに確認が必要です。就学する学校の説明会や配布資料を確認し、気になることは園や学校へ相談しましょう。家庭では、文字への興味に加えて、困ったときに伝えること、持ち物を一緒に準備することなど、学校生活につながる場面も作れます。

1日何分?毎日できない家庭では、どう続ける?

この記事で確認した公的資料からは、3~5歳全員に当てはまる家庭学習の分数は決められません。「年齢が上がったから、その分長く座らせる」という決め方よりも、子どもの様子と生活に無理がないかを見て調整しましょう。

最初は、終わりの見える小さな単位にする

例えば「この絵本の好きなところを見る」「迷路を一つ試す」と、終わりの分かる単位で誘います。時間で区切る方が親子に合うなら、まず5分ほど試す方法もあります。この5分は始め方の一例で、最低時間や年齢別の集中力の基準ではありません。短く終えても、できなかった日があっても、埋め合わせは不要です。

途中で疲れたり強く嫌がったりしたら、その日は終わりにして構いません。楽しんで続けたがるときも、食事や睡眠など次の予定を見ながら、「ここまでにしよう」と終わりを相談します。

忙しい日は「追加の勉強時間」を作らない方法もある

帰宅後に時間を確保しにくい家庭なら、すでにある生活の場面を使ってみましょう。食卓の準備で数に触れる、着替えのあとに好きな絵本を開く、寝る前に今日おもしろかったことを話す、といった形です。

どれも毎日実行する一覧ではありません。親が疲れている日は誘わず、別の日に再開してよいのです。土日にまとまった時間を作れる場合も、平日にできなかった分のドリルをまとめて課すより、親子でやりたい活動を一つ選ぶ方法があります。

続け方は、子どもの反応と親の負担の両方で見直す

何度か試したら、「子どもがまたやりたがるか」「手伝いがあれば取り組めるか」「親が準備や声かけを続けられるか」を振り返ります。記録するなら、点数や連続日数より「動物の絵は楽しそう」「夕方は疲れていた」など一言で十分です。記録自体を負担にする必要はありません。

勉強やドリルを嫌がるときは、何を見直す?

一度嫌がっただけでは、「勉強が嫌い」「集中力がない」とは判断できません。まずその場の活動を止め、どこが取り組みにくかったのかを見直します。下の表は原因の診断ではなく、家庭で試す変更の候補です。

子どもを説得する前に、活動の条件を変えてみる
気付いたこと確かめること次に試す変更
問題を見てすぐ止まる何をする問題か、伝わっているか親が一つ見せる。説明や選択肢を減らす
答えは話すが、書きたがらない内容より、書く作業が負担ではないか指さしや口頭で答える。書く量を減らす
途中から嫌がる量が多い、難しさが急に上がるなどの変化はないか一問だけにする。取り組めた内容へ戻る
帰宅後はいつも乗り気でない疲れ、空腹、別の遊びをしたい気持ちはないか休む。別の時間や休日に誘ってみる
ドリルは嫌だが遊びには参加する題材や形式が合っているか同じ題材を実物やごっこ遊びで扱う

声かけは「なぜできないの?」から、手伝い方の相談へ

例えば「まだ終わらないの?」と言いたくなったら、「ここ、一緒にやってみる?」「書く代わりに指で教えてくれる?」と、別の方法を示してみます。できたときは「自分で並べ直したね」「さっきと違う方法を試したね」と、実際にしたことを言葉にする方法があります。

親がいらいらしてきたときも、中断する目安です。「今日はここまでにしよう」と切り上げ、落ち着いてから量や教材を見直します。毎回、理想的な声かけができることを親自身の目標にしなくて構いません。

休んだあと、いつ再開すればよい?

日数を固定せず、子どもがその本や遊びに近づいたとき、親子に余裕があるときに、前より軽い形で誘います。再開しても同じ負担が続くなら、その教材をいったん片付けて別の活動へ替える選択もあります。購入したから最後まで終える、と決めなくてもよいでしょう。

家庭での調整を重ねても困りごとが続く場合や、園生活でも気になる様子がある場合は、園の先生に具体的な場面を伝えて相談してください。「4歳なのにできない」ではなく、「説明を読むと手が止まるが、実物を見せると一緒にできる」などと伝えると、園での様子と照らし合わせて考えられます。

例えば、ドリルを嫌がることに加えて日常の遊びでも手伝い方に迷う、家庭でも園でもやり取りに困る場面がある、といった場合です。相談するために、家庭で原因を決める必要はありません。

教材や幼児教室には、どんなときにお金をかける?

家にある絵本や道具で試しながら、「次に何を用意すると続けやすいか」を考えましょう。お金をかける場合も、子どもにさせたいことだけでなく、親が補いたい部分を具体的にすると選びやすくなります。

家庭で補いたいことから選ぶ
補いたいこと選択肢購入・申込み前の確認
好きな活動を少し増やしたい絵本、市販ワーク、無料プリント、遊びの道具実物や見本を見て難しさを確認。買いそろえる前に少量で試す
毎回、課題を探す手間を減らしたい内容や順序が用意された通信教材読み上げ・丸付け・準備など、親の作業がどれだけ残るか
読み上げや答え合わせの機能を使いたい機能を確認したタブレット教材画面の使い方、見守り、端末費用。自動機能だけで任せきりにしない
家庭外の先生や活動を取り入れたい目的の合う幼児教室授業内容、子どもの様子、送迎、家庭課題、年間総額を体験時に確認

絵本なら図書館で選んでから、お気に入りを購入する方法もあります。東京都教育委員会も、図書館で本や職員の助言に触れ、子どもが繰り返し楽しむ本を少しずつそろえる方法を紹介しています。

参考:東京都教育委員会「どこで、どんなふうに絵本を選べばよいですか?」。

比較するときは、月額だけでなく、入会金・教材費・端末代などを含む総額と、途中でやめる場合の条件も確認します。価格だけから、その子に合うかどうかは判断できません。親が準備に使える時間や、子どもが興味を持てる内容と合わせて考えましょう。

具体的な通信教材の違いは幼児の通信教育5社の比較、画面を使う学習の注意点は幼児のタブレット学習のデメリットと使い方、予算の立て方は幼児の習い事費用と年間予算で整理しています。

家庭学習を始めるときの、よくある疑問

遊んでばかりでも、家庭学習をしていることになりますか?

物を比べる、作り方を考える、気付いたことを話すなど、遊びの中にも学びがあります。すべての遊びに課題や質問を足す必要はありません。子どもが楽しんでいることを見て、一緒に関われる場面を選びましょう。

無料プリントだけで始めてもよいですか?

始め方の一つです。まず見本を見て、子どもが内容を理解できるか、書く量が多すぎないかを確認し、少量を試します。無料か有料かだけで選ばず、親が選んで印刷する手間も含めて考えましょう。配布元の利用条件にも従ってください。

周りの子が進んでいて、焦ってしまいます

比較が気になるときは、「自分の子が楽しめること」と「助けが必要な場面」を一つずつ書き出してみます。教材の進度だけでは見えないことを確認するためです。心配が残る場合は園での様子も聞き、家庭だけで学習量を増やして解決しようとしなくて構いません。

簡単な課題ばかり選ぶと、成長につながらないのでは?

慣れた活動を楽しみながら、本人が興味を示したところで少し変えてみる方法があります。例えば同じ積み木で別の形を作る、好きな物について絵本以外の図鑑も見るなどです。簡単な課題を楽しむことと、新しいことに出会うことの両方を残しましょう。

小学校受験を考えている場合も、この進め方でよいですか?

この記事は日常の家庭学習の入口を扱っています。学校別の選考内容や受験準備を網羅したものではありません。受験を選ぶ場合は志望校の公式案内を確認し、家庭学習の目的と受験準備の目的を分けて計画してください。

今日することは、子どもと一つ選ぶだけ

まずは、最近よく手に取っている絵本やおもちゃを思い出してください。その中から一つ、「一緒に見ようか」「これを並べてみる?」と誘ってみましょう。乗り気でなければ、今日は見送って構いません。

試したあとに残したいのは、終わったページ数よりも、「何を楽しんだか」「どんな手伝いがあれば取り組めたか」という手掛かりです。それが分かると、次の活動も、お金をかける教材や教室も、家庭に合うものを選びやすくなります。

この記事について

文部科学省・厚生労働省・東京都教育委員会の資料を確認し、家庭での取り入れ方を編集部が提案しています。活動や声かけは例示であり、実際の家庭への取材や教育効果の測定を行った記事ではありません。根拠は該当箇所に記載しています。

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